この恋は、絶対に秘密!
私が給茶器の掃除を嫌だと思わなくなったのは、課長が毎朝コーヒーを飲むということを知ったせいでもある。


好きな上司に『お疲れ様です♪』ってコーヒーやお茶を入れてあげる…

っていう憧れのシチュエーションにはなりようがない会社だから、せめて給茶器くらいは私が清潔にしてあげよう!と思って。


……って、なんかストーカーっぽいかしら?

いや、そんなことないわよね。



とにかく。

素早く新しい粉をセットして、熱々のコーヒーが入った紙コップを手渡すと。



「ありがとう、和久井さん」


と、少し見せてくれる微笑みと一瞬だけ触れた指先に、また私の胸はドキドキと踊りだすの。


もっと触れたいな…

なんて思う私は、やっぱりお嬢様なんかじゃなくただの変態かもしれない。


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