この恋は、絶対に秘密!
“初めては痛い”という基礎知識は十分備わっているから、今からその時を迎えるのだと思うと当然不安や緊張はハンパじゃない。


でも、怖くはなかった。

好きな人と繋がれる唯一の方法なのだと思えば、この上なく幸福なことなのだから。



痛さの恐怖よりも、私が初めてだと知って岬さんが遠慮してしまわないかということの方が心配だった。

だから、不安や苦痛の表情は見せないようにしようと思っていたのに──。



「あ……っ!」



自分でもわかるくらいそこは十分潤っているにも関わらず、熱い彼自身を迎え入れようとすると裂けるような痛みが走り、思った以上に大きな声をあげてしまった。

顔を上げた岬さんは私を心配そうに見つめる。



「……痛い?」



そう言って身体を離そうとした彼の首に手を回し、慌ててしがみつく。


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