この恋は、絶対に秘密!
しばらくして迎えに来てくれた汐美さんは、泣き腫らした私の顔を見て驚き心配してくれたけれど、何も聞かずにいてくれた。
そんな彼の優しさに感謝しつつ、車の中から流れる景色をぼんやり目に映しながら約一週間ぶりの我が家に向かった。
車庫に入ると、またあの赤いミニクーパーが停まっているのが見える。
「うわ……また未来くん来てるの?」
「えぇ。今日は奥様がお帰りになられるので、旦那様が料理をお頼みになったようです。
レストランの方の仕事もあるからと、先ほど来て準備なさってるようですわ」
「お母さん帰ってくるんだ。……未来くんも大変ね」
今日は土曜日だしお店の方も忙しいだろう。
それなのにお父さんったら図々しく料理頼んじゃって……。まぁ、良く言えば愛妻家なのかもしれないけど。