この恋は、絶対に秘密!
:*:密かな初恋
──約2年前の夏。
ファインファクトリーの入社試験日当日、地味子の姿で出陣した私はあろうことか早く家を出過ぎて試験が始まる一時間も前に着いてしまっていた。
「あれ~…どこで時間の計算間違えたんだろう…?」
やっぱり今日くらい送ってもらった方がよかったかしら…
と少し後悔しつつ、どこで時間を潰そうかと会社の入口の前で悩んでいる時だった。
「……もしかして試験受けに来たコ?」
──岬課長が声を掛けてくれたのは。
どこか外回りにでも行っていたのだろうか、スーツ姿で汗を拭う彼がそこにいた。