この恋は、絶対に秘密!
た、助かった……!

嵐が去っていき、私はどっと肩の力が抜けたのを感じた。


……けれど、問題はまだ終わっていない。むしろ緊張するのはこれからだ。

岬さんの用は何なのだろう?


大きくなる心臓の音を感じながら彼を見上げると、切れ長の瞳が不安げな私を映し出す。



「ちょっといい?折りのことで聞きたいんだけど」

「あっ、はい!わかりました」



“折り”というのはお弁当の容器のことだ。

こういう消耗品の発注や管理は私達がしているから、聞かれてもおかしくはない……けれど。



「仕切りが九つに分かれてる折りをずっと前に使ったんだが……どこにあったかな」

「たぶん倉庫にあると思います。持ってきましょうか?」

「いや、俺も行くよ」


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