この恋は、絶対に秘密!
ドキン、と胸が鳴る。

二人で倉庫に行くの?


それはちょっと気まずい……けど嬉しい気持ちがあるのも確かで。

複雑な想いを混じり合わせながら、岬さんの後をついてテストキッチンを出る。

その時に目が合った知恵美ちゃんは、口パクで“がんばれー”と言い、ニヤリと含み笑いしていた。




無言で倉庫までの廊下を歩きながら、私はふと疑問に思っていた。


課長である岬さんならすぐに折りが保管されている場所はわかるはずなのに、どうして聞いたんだろう? しかも私に。


もしかして……折りのことは口実で、あのミーハーな彼女達から私を離してくれた、とか?

そんなふうに考えるのは都合良すぎだろうか。


それに、一緒に倉庫に行くというのもなんだか違和感が……。



考えを巡らせていると、倉庫に入る前に「和久井さん」と言って彼が立ち止まった。


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