この恋は、絶対に秘密!
でも自業自得なんだし、むしろ突き放された方がいいのよね……。

そう思い直して、私も倉庫の奥へと進んだ。



所狭しと缶詰や乾物、ラップなどの消耗品が棚に並べられている倉庫の通路は狭い。

折りはその上の方にまとめて保管されていて、私はそれを取ろうと背伸びした。



「ここにあったはずなんですけど……よいしょっ」

「あ、俺が取るよ」

「っ──!」



背後から岬さんの手が伸ばされる。

背中を包み込まれるような感覚と触れ合った手に、心臓が驚いたように飛び跳ねた。


とっさに手を引っ込めると、間近で岬さんと視線が交わる。

一瞬にして抱き合ったあの夜のことを思い出し、慌てて目を逸らした。

身体も硬直してしまって動けない。


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