この恋は、絶対に秘密!
頬に手を当てて俯いていると、彼は事務所とはまた違う裏口らしきドアを開けてくれた。



「まだかなり時間あるだろう?ここじゃ熱中症になっちゃうから中入って待ってて」

「あ……はい、すみません!」

「その間にちょっと君に聞きたいことがある」



──え??


全く予想もしなかった言葉にぽかんとしていると、彼は無愛想な表情で私を急かす。



「ほら早く。暑いから」

「はっ、はい!!」



何だかよくわからないまま、促されるままに中へ通された私。

連れていかれたのは、誰もいないテストキッチンだった。


業務用の冷蔵庫とシンク、IH調理機などがあるオープンキッチンに、数台のテーブルがある場所。

私はそこの椅子に座らされた。


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