この恋は、絶対に秘密!
否定しようとした私の言葉を遮り、未来くんは鋭い眼差しを向ける。



「わかってるよ、優海の不注意が事故の原因だって。
でも、周りが見えないくらいのショックを与えたのはあいつだろ」



初めて見る、哀しさや怒りや、様々な感情がごちゃまぜになった彼の表情に、私の胸はドクンと重い音を立てた。



「岬英司はそういう男なんだよ。あいつに関わってたらきっとまた泣かされる。
……僕は、君まで悲しむ顔を見たくないんだ」



この間未来くんが言っていた、『僕は好きな人を一番に大切にするって誓えるから』という言葉が頭の中に蘇る。

それは、岬さんへの対抗心の表れだったのかもしれない。



私は未来くんの視線から逃れるように墓前にしゃがむ。そしてお線香に火をつけて供え、手を合わせた。



──優海さんは、岬さんのことを恨んでいるの?

それとも、まだ愛している……?


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