この恋は、絶対に秘密!
私が涙を拭って腰を上げると、未来くんはそっと私の手を取って歩き出した。

もう辺りは暗闇に包まれつつある。



「……未来くんは、優海さんのことが好きだった?」

「……うん、そうだね」



歩きながらの私の問い掛けに、彼はとても自然に、穏やかな声で答えた。



「だからこそ、岬英司のことが許せなかったんだ。
……でも、敵対視してた理由はそれだけじゃない」

「え?」

「僕が久々に好きになった子がまたあの人のこと追い掛けてるから、単純に腹が立ったんだよ」



──久々に好きになった子が? 岬さんを追い掛けてる?

って、まさかそんな……いつもの冗談、よね?


半信半疑な視線を向ける私に、未来くんは呆れたようなため息をつく。



「言っとくけど、僕はいつも本気なんだからね?」

「っ……!」


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