この恋は、絶対に秘密!
嘘でしょう……信じられない。

未来くんみたいな人が本気で私のことを想ってくれてるなんて──。


繋がれた手も、顔も、急に熱を帯びていくのがわかって私は俯いた。



駐車場に着く頃にはすっかり辺りは暗くなっていて、空には三日月が輝いていた。

これなら赤いままだろう顔も見られないかな。


未来くんは車に乗り込もうとせず、私の手を握ったまま向かい合って、ふわりと笑みを浮かべる。



「好きだよ、瀬奈ちゃん。
君の強情なとこも、奔放なとこも。全部好き」



──ドキン、と痛いくらいに心臓が跳ねた。


いつもなら軽くかわせるのに、今は視線を逸らすことさえ出来ない。

未来くんの大きい薄茶色の瞳が、“嘘じゃないよ”と主張しているようで──。


私の心は、大きく揺らぐ。


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