この恋は、絶対に秘密!
:*:心の鎖‐Side 岬英司‐
失った愛情と育む恋心
クリスマスも、二人の記念日も、忘れがちだったどうしようもない俺だけど、
君との出逢いは今でもしっかりと覚えている。
──それは、約7年前の夏。
その当時も上司との付き合いで不本意ながらもキャバクラに連れていかれた俺は、店を出た後に女性が数人の男に絡まれている場面に遭遇した。
嫌がっている様子の彼女がどこかに連れていかれそうになるのを見て、咄嗟に彼女の腕を掴んでいた。
明らかに俺より若かっただろう男達は、幸い俺に絡んでくることもなく捨て台詞を吐きながらその場を去っていった。
そして俺に深々と頭を下げた彼女こそ、当時は大学生だった優海。
そんなありきたりな出逢いから、すべてが始まったのだ。