この恋は、絶対に秘密!
あの日、些細な言い合いが引き金となって、ついに優海の不満が爆発した。



『仕事仕事って、私のことはどうでもいいの!?』

『寂しくてもずっと我慢してきた……でもこれじゃ結婚した意味がないじゃない!』

『もう……英司さんとうまくやっていく自信ない』



優海はそう泣き叫び、コルクボードに貼っていた二人の写真を破いた。

そして部屋を飛び出していった彼女をすぐには追う気になれず、俺は切り裂かれた写真をただ眺めているだけだった。



俺が必死で働いているのは優海との将来のため。どうでもいいわけがない。

それなのに何故理解してくれないのか?


腹立たしくて、もう色々なことが虚しくて……

このまま追いかけても彼女に何を言うべきなのか整理が出来ず、しばらく頭を冷やそうと思った。


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