この恋は、絶対に秘密!
お嬢様で世間知らずのくせに大胆な言動をするところなんかはそっくりだ。

そんな絵瑠に、初めて会った時から自分でも説明しがたい不思議な感情を抱いた。



だが、俺達は一晩宿を貸し借りするだけの関係。
もう会うことはないだろう……

そう思っていたのに、彼女はまたすぐにやって来た。


そこで彼女を追い返せなかったこの時から、すでに俺の中に特別な感情が生まれていたのかもしれない。



絵瑠がいる生活は、最初こそ調子が狂ったもののいつの間にか馴染んでしまっていた。

俺の帰りを待っていてくれる存在がいることを、嬉しいと思ってしまう自分がいたのだ。


一度家庭を壊した俺が家族ごっこのようなことをして、嬉しいと思うだなんて許されることではないのに。


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