この恋は、絶対に秘密！

「いいから答えて。君ならどっちがいい？」

「えぇ…！？」



綺麗なお顔に圧倒されつつ、もう一度お弁当を覗き込む。


炊き込みご飯に焼き魚、サラダや煮豆などが彩り良く盛り付けられている和食弁当。

そこにほんの少しだけ空いたスペースがある。
ここにもう一品だけ付けたいってことか…。



「わ、私だったら…卵焼きがいいです」



ほぼ直感でそう答えると、目の前の顔がほんの少し綻んだ気がした。



「…そうか、やっぱり卵焼きがいいか！
いや俺もそう思ってたんだが、男には焼売が人気でね。でも女性をターゲットとすると卵焼きの方が……」



突然饒舌になった彼に唖然としていると、そんな私に気付いて「…失礼」とコホンと一つ咳ばらいをした。