この恋は、絶対に秘密!
そのメモを力無くテーブルに置いてソファーに座り込んだ。

彼女の荷物がなくなった部屋は、いつにも増して殺風景に思える。



頭の中に蘇るのは、この腕で抱きしめた細く柔らかな身体と、彼女の涙。


どうして俺はいつもこうなんだ……

大事なことに気付くのが遅くて、守りたいのに壊してしまう。

優海を亡くした時から、死ぬほど後悔しているというのに。




昨日は色々なことがあり過ぎて、酒と彼女の誘惑に溺れてしまった。


未だに優海の死に捕われていることが辛くて、

そして、俺を一途に想ってくれる絵瑠が──和久井さんが、純粋に愛しくて。



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