この恋は、絶対に秘密！

──昨日、出先から戻った俺は、和久井さんが見知らぬ車から飛び出してくるのを見て、何事かと思い声を掛けた。


いつもの眼鏡を掛けていない顔をよく見たことと、彼女の顔を隠すように動揺していた様子……

そこから、やはり彼女は絵瑠だと確信した。



だが、彼女が乗っていた車の主は──俺の苦い記憶を呼び覚ます、シェフの日詰未来。


二人が知り合いだとは夢にも思わず、もう会うことはないだろうと思っていた彼に会ってしまったことで、俺も動揺してしまった。



一気に４年前の記憶が蘇る。


日詰未来が俺に向けた、怒りや悲しみ、憎しみに満ちた表情が、

ナイフのように胸を突き刺した、あの言葉が──。