この恋は、絶対に秘密!
淡い桃色のカクテルを片手に俺を見上げる彼女は、前回会った時よりも髪が伸び、大人っぽくなっていて

……ますます優海の面影を感じさせた。



「英司さん!お久しぶりです」

「久しぶり。元気だった?ご両親も変わりない?」

「えぇ、皆相変わらず」



そんなありきたりな挨拶を交わして店員にウイスキーを頼み、落ち着いたところで彼女が話を切り出した。



「突然呼び出しちゃってごめんなさい。ちょっと仕事のことも含めて話したくて」

「仕事?」

「えぇ。この間お父さんがお弁当のことで電話したでしょ?あれをお願いしたの、実はあたしなの」



予想外の事実に、グラスを受け取ろうとした手を止めて彼女を見やる。



「……美波ちゃんが?」

「そう。今あたし、スミヤの惣菜部門を担当してるんです」


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