この恋は、絶対に秘密!
「……もう終わりにしてほしかったかったんです。お姉ちゃんの死に囚われたまま生きるのは」



「お母さんのことなんですけどね」と、彼女は苦笑を漏らして付け加えた。



「お姉ちゃんが死んでから、お母さんはふさぎ込むことが多くなった。
頻繁に情緒不安定になって、その度にお姉ちゃんの死を引き合いに出しては、全部英司さんのせいにしてたんです」



お義母さんがそんな状態だったことを、俺はこの時初めて知った。

何も知ろうとせずに背を向けていたことに、また罪悪感が襲ってくる。


しかし、美波ちゃんは鼻息を荒くしてこう言った。



「でも、あたし元々ウジウジしたのは嫌いな性格なんで!
もちろんお姉ちゃんが亡くなったショックからそうなるのも仕方ないけど、いつまでも立ち直らないお母さんを見てると最近はイライラしてきちゃって……!」


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