この恋は、絶対に秘密!
俺ではなく、お義母さんに対して憤りを露わにする美波ちゃんに、俺は拍子抜けしてしまった。

優海と美波ちゃんの性格が全く違うことは知っていたが、ここまでサバサバしているとは。


ぽかんとする俺に気付き、美波ちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべる。



「だから、あえてまた英司さんに近付こうと思ったんです。あたしとお父さんが繋がりを持てば、お母さんも嫌でも関わらざるを得ないから。
まぁリハビリみたいなものですよ、心のリハビリ!」



まさかあの契約話に、そんな魂胆があったなんて……。

ケラケラと無邪気に笑う美波ちゃんに、俺もつられて笑いそうになってしまう。



「あ、もちろんファインファクトリーさんのお弁当も魅力的だから頼んだんですよ?」

「それはありがとう……。いや、でもてっきり君も……」

「英司さんのこと恨んでる、と思ってました?」


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