この恋は、絶対に秘密!
そう聞かれて浅く頷くと、美波ちゃんは真面目な表情に戻る。



「……正直、あたしも当初は英司さんのことを憎んだりもしました。お姉ちゃんからは相談を受けてたから……。
でも、それで英司さんを憎むのはおかしいと思ったんです。本当に二人のことを思うなら、お姉ちゃんの代わりにあたしが英司さんに文句を言ったってよかったんだし」



カクテルの中で静かに弾ける気泡を見つめていた美波ちゃんは、その目線を俺へと移す。



「誰にだって過ちはあるし、その時は気付かないことだってある。
英司さんも、あの頃は必死だったんでしょう?お姉ちゃんとの生活のために」



それを肯定するように彼女の目を見つめ返すと、そのまま真っすぐな瞳でこう言った。



「お姉ちゃんが死んだのは、決してあなたのせいじゃない」


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