この恋は、絶対に秘密!
二時間程でバーを出た俺達はタクシーを拾い、先に美波ちゃんを家に送り届けた。
少し飲み過ぎたか……と思いながら、窓から見える花火をぼんやりと目に映していた。
あの子も、今一人で花火を見ているのだろうか。
アパートに着き、ふらつく身体を支えながら部屋へ入ると、いつもの笑顔で彼女が出迎えてくれる。
それだけでホッとして、乱れた心が少しだけ落ち着いた気がした。
しかし、キッチンのテーブルの上に置かれた料理の数々に気付き、また胸が痛み出す。
俺のために用意しておいてくれたのか……。
優海のことを思い出し罪悪感が沸き上がる反面、健気な彼女に愛しさが募る。
考えるよりも先に身体が動いて、気が付くと華奢な彼女の身体を抱きしめていた。