この恋は、絶対に秘密!
俺の気持ちを見抜いているかのような言葉にも、彼女の緊張が伝わるようなキスにも、俺の心はぐらりと揺れる。


優海を幸せにしてやれなかった罪悪感から解放されたくて、辛く苦しいことは忘れたくて……

今だけは何かに縋りたいという思いが勝ってしまった俺は、気が付けば夢中で彼女の唇を奪っていた。


そして、もう自分の気持ちに嘘はつけないと思い知った。


──俺は、彼女に惹かれている。



彼女の肌は抜けるように白く滑らかで、俺が触れる度に汚してしまうのではないかと不安になる。

けれど、桜色の唇から漏れる小さくも艶めかしい声や、上気した悩ましげな表情に、理性は呆気なく崩れていった。



目の前の生身の彼女が欲しくて。

何も考えずに、獣のようにただ快楽に溺れてしまいたかった。


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