この恋は、絶対に秘密!
「……俺も」

「え?」

「俺も好き。卵焼き」



──ドキッ。


一瞬“好き”という単語と、ほんの少し微笑まれた口元に、私の心臓が音を鳴らした。


ちょっと…何ドキッとなんてしてるの、私。

課長が言ってるのは卵焼きの話よ、卵焼き!



謎の反応をする心臓に動揺していると、課長はまた涼しげな表情に戻ってあっさりとこんなことを言う。



「ご協力ありがとう。君の意見も参考にさせてもらうよ。
…さて、そろそろ会場に行っててもいい時間かな?」



時計を見るとあっという間に30分が経っていた。

私は慌てて立ち上がり、課長に頭を下げてお礼を言う。



「お仕事中に申し訳ありません、ありがとうございました!」

「いいえ、連れてきたのは俺ですから。
緊張も解れたようだし、その調子で試験頑張って」


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