この恋は、絶対に秘密!
ホールへ出て私の目の前にやってきた未来くんは、“信じられない”というような顔で私を見つめる。



「ごめんなさい、忙しい時間に呼び止めちゃって」

「いや、全然いいんだけど……
ここに来てくれたってことは、OKってこと?」



期待と不安が交ざったような視線を向ける彼に、私は思いっきり頭を下げた。



「……ごめんなさい!!」



ゆっくり顔を上げると、呆然と私を見つめる未来くんと目が合う。

津波のように押し寄せる罪悪感に負けそうになりながらも、しっかり言わなければと口を開いた。



「未来くんの気持ち、すごく嬉しかったけど、やっぱり私の想いは変わらなくて……」



考えないようにすればするほど、彼の存在は色濃く心に残る。

苦しくて、愛しくて。
今この瞬間も、訳もなく涙が溢れるくらい、

どうしようもなく──好き。


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