この恋は、絶対に秘密!
思い出したようにそう言って、デスクの上に積まれた資料を漁る。

そして一枚のメニュー表を取り出し、私に見せてきた。



「今度少し変わった弁当を作ることになってね。焼きそばメインでもう一つ何かおかずを付けたいんだが……
焼売と餃子、どっちにするかで揉めてるんだ。君ならどっちがいい?」

「……へっ?」



……これはデジャヴュ?

初めて出逢った入社試験の日のような質問に、目をパチクリさせていると。

英司さんは悪戯っぽく口角を上げてこんなことを言った。



「君はやっぱり卵焼きがいいか?」



──え? 卵焼き?

って、もしかして英司さん、あの日のこと覚えてる……!?



「でも残念ながらこのメニューに卵焼きは合わないからな」

「ちょ、ちょっと待ってください!あの……私のこと、覚えてたんですか?」


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