この恋は、絶対に秘密!
「もちろん。だから君が入社してきた時は嬉しかったよ」



私を見上げてさらっと言う英司さん。


あんな些細な出来事、記憶になんて絶対残ってないだろうと思っていたのに……

気恥ずかしくて、でもすごく嬉しくて、心がほんわかと温かくなる。



「花火大会の日に卵焼き作ってくれてあるの見て、やっぱり瀬奈だなって思った」

「あ、そういえば……」

「すごく美味かったよ。カレーを焦がした人間が作ったとは思えないくらい」

「う……一言余計です……」



うなだれてシュンとしていると、英司さんはクスッと笑って私を手招きする。

何かと思い近付くと、彼はその大きな手を伸ばして私の頭をぽんぽんと撫でた。


会社でこんなふうに触れてくれるとは思わず、心臓がドキンと跳ねる。


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