この恋は、絶対に秘密!
性格と同じ、クールで端正な顔立ちと
やっぱりまた跳ねている寝癖。

それすらも格好良くて愛しいと思わせるこの人は……



「か──っ…!!」



課長!!

……と口から漏れそうになった瞬間、彼の背景に見覚えのある車がチラリと現れた。


夜でも目立つ、あの真っ白なベンツは……

間違いない、うちの車だ!!


一気に血の気が失せていく私を、岬課長は怪訝そうに見て軽く首を傾げる。



「……『か』?」

「か…か、かくまってください!私を!!」

「は??」

「わぁ~~こっちに来る!!」



意味がわからないという様子でぽかんとする課長に、私はとにかくしがみついた。

幸い私達の隣には車が停まっていて、課長と車の陰に隠れればやり過ごせそうだ。


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