この恋は、絶対に秘密!
ていうか課長、私が足が痛いことにもう気付いたんだ…。


不意に忘れかけていた痛みが疼き出し、少し靴を脱いでみると案の定真っ赤になった足が露わになる。



「靴擦れか…結構酷いな」



課長も少し眉をひそめて私の足を観察する。

もう一度靴を履くのも嫌になるくらい痛いなぁ…。



「今一人なんだよね?絆創膏買ってきてあげるから待ってて。
そしたら行きたい所にでも家にでも送ってあげるから…」

「──家は嫌!」



咄嗟に駄々をこねる子供のように拒否してしまった。

課長は目を丸くして私を見る。



「あ……ごめんなさい、家だけは絶対嫌なんです!
今その家から逃げ出してきたもので……」

「……逃げ出した?」



厄介者を拾ってしまった…
というような顔をする課長に、私は苦笑いを浮かべた。



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