この恋は、絶対に秘密!
「……家には帰りません」



ピンク色のスカートを膝の上でギュッと握りしめ、強情な一言を口にする。


あなたにとって、今の私はただの家出女に過ぎない。

だったらこの際、わがままな女を演じてみてもいいでしょう?



「何されても構いません。
私は…あなたといたいんです」



煙草に火を点けようとした彼の手がぴたりと止まり、少し見開かれた目が私に向けられる。



こんな大口叩いておいて、本当はちょっと不安だし緊張しまくりだけど…

普段の私がこんなに近付けるチャンスなんてないんだもの。

今日のこの夜の出逢いを、無駄にはしたくない。



「お金はないけど、この身体がありますから!
胸は…そんなにないけど、一晩泊めてくださるお礼にでもなれば……!」


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