この恋は、絶対に秘密!
買い物を終えた私達は再び車に乗り込み、今度こそ課長の家に向かった。


……課長じゃない、“岬さん”ね。

もう十分知っているけれど一応名前も聞いたから、徹底的に今日初めて会ったフリをしなくちゃ。



岬さんの住むグレーの外壁のアパートは、私も知っている市立図書館の裏手にあった。

結構わかりやすい場所だから、方向音痴の私でも一度来れば迷わなそうだ。


階段を上り、2階の角部屋の黒いドアの鍵を開ける。



「散らかってるけど、どーぞ」

「ありがとうございます……!」



きゃ~~ついにお邪魔してしまうのね!!

岬さんの生態が知れると思うと、ドキドキワクワクと胸が躍る。


玄関の電気をつけ中へ入る彼に続いて、私も足を一歩踏み入れた。


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