この恋は、絶対に秘密!
そして部屋を見た瞬間、心の中で思わず呟いた。


──意外にも汚い……と。



テレビと小さなテーブル、ソファーが置かれているリビングには、本や新聞が至る所に積み重なっていて、脱ぎっぱなしの服が適当に置いてある。


ゴミが大量に溜まってるだとか決して不潔なわけではないけれど、とにかく物が多くて生活感が丸出しなのだ。


課長の性格からして、部屋も潔癖症かと思うくらい完璧に綺麗にしているのかと思いきや…

そんなことは全くなかったらしい。



「今お湯沸かすから、適当に座って待ってて」

「は、はい!すみません……」



冷房をつけて荷物をキッチンのテーブルに置くと、彼は早速やかんを火にかけ始める。

チラリと覗くと、職業柄なのかキッチンは結構スッキリと片付いているようだった。


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