この恋は、絶対に秘密!
とりあえず散らかっていた広告を端に集めておいて、現れた座布団の上にちょこんと座ってみた。


うーん…この散らかり様からすると彼女とか女性の影はないみたいね…。

女性物の何かがあるようにも見えないし、そのことにはひとまずホッとする。



でもやっぱり気になるのは元奥さんのこと。


“愛想を尽かして出ていった”……か。

もしかしたら仕事以外はこんなふうに無頓着なところが嫌になった……っていうのも一理ありそうな気がする。




「飲み物はお茶でいい?」

「あっ…はい!何でも!」



考えを廻らせていると、目の前にお湯が入ったカップラーメンと箸が置かれる。

岬さんも自分のお弁当をテーブルに置いて、コップにお茶を注いでくれた。


いつもは私がお茶を用意する立場なのに……
それが逆転していてなんだか不思議な気分。


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