この恋は、絶対に秘密!
仕方なく毎回身につけている、未来くんがプレゼントしてくれた白いフリフリのレースに縁取られたエプロンを外していると。
オムレツを前に頬杖をついた彼が、子犬のような黒目の大きな瞳で私をじっと見つめてくる。
「……何か?」
「ねぇ瀬奈ちゃん、そのエプロンいつになったら素肌の上に付けてくれるの?」
「そんな日は一生来ないわ!!」
誰か何とかしてよ、この男を!!
この料理教室の日には何故か誰もいないのよね。
普段なら家政婦さんが来てくれてるのに…
絶対未来くんが裏で手を回しているに違いない。
何でこんなに私を構ってくるのか謎だし、本当に勘弁してほしいけれど……
「ゴメンゴメン、冗談!
はい、いただきましょう!」
「……いただきます」
一緒に作った料理を一緒に食事するこの時間は、決して嫌いじゃないんだ。