この恋は、絶対に秘密!
一瞬だけ伝わってきた手の温もりが離れていってしまうと、無性に寂しさが襲ってくる。

こうしていられるのもあと僅かなんだ……。



「そろそろ寝るか」



物悲しい気分になっていると、岬さんの平然とした声が耳に届く。


──そうだ。
どこでどうやって寝るのか、これが最大で最後の問題。



「こっち来て」



手招きされ、私はトコトコと彼の後をついていく。

案内されたのはベッドと洋服タンスや本棚が置いてあるだけの、シンプルな寝室だった。



「どうぞ、ベッド使って」

「えっ……でも岬さんは?」

「俺はソファーで寝るから」

「そんなの悪いです!私がソファーで寝るから、岬さんがベッド使ってください!」


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