この恋は、絶対に秘密!
そうだよね、まさか一緒に寝るわけがない。

でも無理やり上がり込んだ身でベッドまで占領してしまうのは申し訳なさ過ぎる。



「俺はいいって」

「ダメです!」



そんなやり取りを何回か繰り返しながら、私は部屋を出ていこうとする岬さんの腕を引っ張ってベッドの方に引き寄せる。


そして足を一歩後ろに下げた、その時。

私は床に置いてあったゴミ箱に躓き、後ろに体勢を崩した。



「ひゃ……っ!!」



短い悲鳴を上げた直後、幸いすぐ後ろにあったベッドにボスンと背中が受け止められた。

だから痛くはないけれど、その衝撃でつむった目を開くと──


すぐ目の前にあるのは、岬さんの綺麗なお顔だった。


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