ラブソングを君に
次の日から、昼休みに音楽室を使って練習することになった。

先生が、吹奏楽部の顧問の先生に直談判して、昼休みを貸切にしてくれたらしい。


一人だけの音楽室はとても静かで音が響いた。

同時に、自分がどうしようもなくちっぽけに思えてきた。


「…~~♪」


まるで、世界でひとりぼっちになったみたいだ。

今までのアンサンブルとは違う、一人で歌う、という感覚は、私の心から養分を少しずつ奪っていくらしかった。


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