《短編》春夏秋冬
晃って昔はもっと、イベント事が好きで、率先して計画を立てるタイプだったはずなのに。

なのに、いつの間にか変わってしまったのだろうかと思うと、また寂しくなって。


最近じゃもう、私と晃が本当に幼馴染なのかさえ疑わしくなってくる。



「ほんっと、これだから男は」


美冬は肩をすくめ、



「まぁ、こんなやつらは放っておいて、いっぱい遊ぼうね、晴香」

「うん」


でもね、私としては、やっぱり4人でがいいんだけど。

とは、この場ではさすがに言えない。



「私多分いつでも暇だろうから、誘ってね」


あ、これだと私、自分が寂しい女ってアピールしてるみたいだな。

けど、実際そうなのだから、仕方がない。


両親もお兄ちゃんも帰ってこない家で、どうせ私は夏休みもひとりだろうから。



「俺も今のところそんなに予定入ってないから、誘ってな」


すかさず言ってくれる、晃。

きっと私の家の事情をわかってるからだろうけど、優しいな、まったく。


たとえ晃の何が変わったとしても、こういうところがそのままなら、もうそれだけでいいんじゃないかとすら思えてくる。


私も随分と妥協できるようになったものだ。

馴染むって怖い。



「あのさぁ、これって何か、バイトしてる俺だけ悪者みたいじゃね?」


ナツは不貞腐れていた。

美冬は「やっと気付いた?」と毒づくが、「うぜぇ」とナツは口元を引き攣らせる。


脆い、けれど壊れない、私たちの微妙な友情。

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