《短編》春夏秋冬
高校に入ってから、私には美冬たち以外に親しい友達はいない。
もちろんクラスの子たちと仲はいいけれど、でも特別プライベートまで一緒にいたいとは思わない。
誘われれば遊ぶけれど、自分からどうこうしようという気も起きなくて。
こんなに寂しいなら誰かに電話すればいいはずなのに、なのに誰でもいいというわけでもなくて。
あぁ、もう、めんどくさいな、私ってやつは。
自分が何にそんなにこだわっているのかわからなくなってきた。
うだうだやってるうちに、お盆休みも終わって。
そんな時、ナツからの電話が鳴った。
「なぁ、今週の土曜、暇?」
「何よ、いきなり」
「河川敷で花火大会あんじゃん? 行こうぜ」
そういえば、そんなものもあった気がするけれど、
「また急に」
「急じゃねぇよ。当日に言ってるわけでもなし。な? 空けとけよ」
「ちょっと」
「時間決めてメール入れとくわ。晃と美冬にも俺から連絡しとくから。じゃあな」
「え……」
もう決定しちゃたの?
って、電話切れてるし。
ほんと勝手なやつだ。
4人で遊べるのは嬉しいけれど、もっとこう、みんなで計画立てたりとか、あるじゃん。
まぁ、それをナツに言ったところで無駄なんだろうけど。
悶々と考えていた時、ガチャリとドアが開いた。
「晴香ー」
「わひゃっ!」