《短編》春夏秋冬
「あたしたち、親友でしょ? ね、お願い、晴香。協力してよ」
みんな、勝手すぎて嫌になる。
『幼馴染』だ、『親友』だ、と言うくせに、私には恋愛相談のひとつさえしてくれなかったくせに。
なのに、ふたりして『協力して』だなんて、ありえないよ。
「晴香、聞いてる?」
「え? あ、うん」
「協力、してくれるよね?」
「あ、……うん」
でも、文句のひとつも言えないまま、私はうなづくことしかできない
電話口の向こうは、その瞬間、ぱあっと華やいで。
「よかったぁ。晴香は親友だからこそ、言えなかったんだ。でも、言ってよかった。ほんとよかった。あたし晴香のこと大好きだもん」
「………」
「ねぇ、当日は浴衣着るでしょ? 一緒に着ようよ。あたしナツに可愛いとこ見せたいけど、ひとりじゃ恥ずかしいし。ね? いいでしょ?」
「……うん」
私が浴衣なんか着てどうするのよ。
っていうか、私、浴衣なんて子供の頃にしか着たことないし。
なんて、もちろん言えるはずはなかったから。
「楽しみだね」
引き攣った顔が見られなくてよかった。
電話を切って、ベッドに倒れ込む。
4人で遊べるなら何だって楽しいと思ってたはずなのに。
なのに、こんなのなら行きたくないよ。
花火大会が終わったら、私たちの関係はどうなってしまうのだろう。
みんな、勝手すぎて嫌になる。
『幼馴染』だ、『親友』だ、と言うくせに、私には恋愛相談のひとつさえしてくれなかったくせに。
なのに、ふたりして『協力して』だなんて、ありえないよ。
「晴香、聞いてる?」
「え? あ、うん」
「協力、してくれるよね?」
「あ、……うん」
でも、文句のひとつも言えないまま、私はうなづくことしかできない
電話口の向こうは、その瞬間、ぱあっと華やいで。
「よかったぁ。晴香は親友だからこそ、言えなかったんだ。でも、言ってよかった。ほんとよかった。あたし晴香のこと大好きだもん」
「………」
「ねぇ、当日は浴衣着るでしょ? 一緒に着ようよ。あたしナツに可愛いとこ見せたいけど、ひとりじゃ恥ずかしいし。ね? いいでしょ?」
「……うん」
私が浴衣なんか着てどうするのよ。
っていうか、私、浴衣なんて子供の頃にしか着たことないし。
なんて、もちろん言えるはずはなかったから。
「楽しみだね」
引き攣った顔が見られなくてよかった。
電話を切って、ベッドに倒れ込む。
4人で遊べるなら何だって楽しいと思ってたはずなのに。
なのに、こんなのなら行きたくないよ。
花火大会が終わったら、私たちの関係はどうなってしまうのだろう。