《短編》春夏秋冬
「学校は?」
「あー……」
あんまり行ってない、なんてことは、余計言えない。
ナツはため息を吐き出した。
「何かあったか?」
「え?」
「晴香が学校に行かないなんて、あれから何かあったとしか思えねぇだろ」
「………」
「晃や美冬と、何かあったのかなぁ、って」
また、射抜くような目でナツは私を見る。
「晃は何も言ってなかったけど」
「晃と会ったの?」
「たまに連絡は取ってるよ。俺もばたばたしてたから会ってはねぇけど」
晃と美冬、付き合ってるんだよ。
と、言いかけたけど、やめといた。
だからどうしたと言われればそれまでだし、何よりもう学校にいないナツに心配させるようなことは言えない。
その時、ナツの携帯が鳴り、ディスプレイを確認したナツは「ちょっとごめん」と私に背を向け、通話ボタンを押す。
「おー、何? あぁ、わかってるよ。明日はそっち行くわ。はぁ? 別に浮気とかじゃなくて、先輩らと飯食ってただけだろ。いちいちそんな心配すんなよ。じゃあな」
ナツは電話を切り、「悪ぃ」と私に言った。
何が『悪ぃ』なのか、私にはよくわからなかった。
「カノジョ、いるんだ?」
「あぁ、まぁ、少し前からな」
ナツを振った私が、それをとやかく言えるはずもない。
ナツが幸せなら、私は祝福してあげなきゃいけない。
「おめでとう」
垂れ流すように言った。
「あー……」
あんまり行ってない、なんてことは、余計言えない。
ナツはため息を吐き出した。
「何かあったか?」
「え?」
「晴香が学校に行かないなんて、あれから何かあったとしか思えねぇだろ」
「………」
「晃や美冬と、何かあったのかなぁ、って」
また、射抜くような目でナツは私を見る。
「晃は何も言ってなかったけど」
「晃と会ったの?」
「たまに連絡は取ってるよ。俺もばたばたしてたから会ってはねぇけど」
晃と美冬、付き合ってるんだよ。
と、言いかけたけど、やめといた。
だからどうしたと言われればそれまでだし、何よりもう学校にいないナツに心配させるようなことは言えない。
その時、ナツの携帯が鳴り、ディスプレイを確認したナツは「ちょっとごめん」と私に背を向け、通話ボタンを押す。
「おー、何? あぁ、わかってるよ。明日はそっち行くわ。はぁ? 別に浮気とかじゃなくて、先輩らと飯食ってただけだろ。いちいちそんな心配すんなよ。じゃあな」
ナツは電話を切り、「悪ぃ」と私に言った。
何が『悪ぃ』なのか、私にはよくわからなかった。
「カノジョ、いるんだ?」
「あぁ、まぁ、少し前からな」
ナツを振った私が、それをとやかく言えるはずもない。
ナツが幸せなら、私は祝福してあげなきゃいけない。
「おめでとう」
垂れ流すように言った。