《短編》春夏秋冬
「ほら、もうすぐ冬休みだし? これはもう、ハワイに行けっていう神のおぼしめしじゃんね」
「あんた寒さで頭やられちゃったんじゃない?」
「うるさいなぁ。あたしは冬休みにハワイに行くの! カレシと一緒に!」
「それは金貯めて、カレシ作ってから言う台詞でしょうが」
「うっわー。夢も見させてくれないなんて」
「あんた夢見すぎだから」
そうか、冬休みか。
目先の期末テストのことばかり考えていて、すっかり忘れてた。
まぁ、だからって、私には夢見るような何かもないのだけれど。
「だってさぁ、冬休みってイベントづくめじゃん。クリスマスに、年越しに、初詣?」
美冬と晃は全部一緒に過ごすのだろうか。
ナツは、例のカノジョとだろうけど。
このままじゃ、羨ましさが嫉妬に変わってしまいそうだ。
「まぁ、あたしらには無縁の話だよ」
「やめてよ、そういうのー」
「いいじゃん、いいじゃん。寂しい女3人。みんなで、クリスマスも、年越しも、初詣も、一緒に過ごせばいいじゃん?」
「ありえなーい」
『みんなで』か。
私はあの頃、ただそれだけを望んでいたはずだったのに。
話ながら歩いていた刹那、ドンッ、と誰かにぶつかった。
「あ、ごめん」
と、顔を上げて驚いた。
晃だった。
私たちを見た友人たちは、顔を見合わせ、少し気まずそうになった。
晃は困ったような笑みを浮かべた後、ぐるりと辺りを見回して、
「なぁ、晴香。ちょっと話せる?」
「あんた寒さで頭やられちゃったんじゃない?」
「うるさいなぁ。あたしは冬休みにハワイに行くの! カレシと一緒に!」
「それは金貯めて、カレシ作ってから言う台詞でしょうが」
「うっわー。夢も見させてくれないなんて」
「あんた夢見すぎだから」
そうか、冬休みか。
目先の期末テストのことばかり考えていて、すっかり忘れてた。
まぁ、だからって、私には夢見るような何かもないのだけれど。
「だってさぁ、冬休みってイベントづくめじゃん。クリスマスに、年越しに、初詣?」
美冬と晃は全部一緒に過ごすのだろうか。
ナツは、例のカノジョとだろうけど。
このままじゃ、羨ましさが嫉妬に変わってしまいそうだ。
「まぁ、あたしらには無縁の話だよ」
「やめてよ、そういうのー」
「いいじゃん、いいじゃん。寂しい女3人。みんなで、クリスマスも、年越しも、初詣も、一緒に過ごせばいいじゃん?」
「ありえなーい」
『みんなで』か。
私はあの頃、ただそれだけを望んでいたはずだったのに。
話ながら歩いていた刹那、ドンッ、と誰かにぶつかった。
「あ、ごめん」
と、顔を上げて驚いた。
晃だった。
私たちを見た友人たちは、顔を見合わせ、少し気まずそうになった。
晃は困ったような笑みを浮かべた後、ぐるりと辺りを見回して、
「なぁ、晴香。ちょっと話せる?」