恋はいつでも『マシンガン』ですから!!

忘れる事のない昔話。

健ちゃんとは10年くらい一緒にいる。
瑞樹ちゃんよりちょっとだけ長い付き合いだ。
ちなみに康太とは瑞樹ちゃんと同じくらい一緒にいる。

要するに、私達四人は幼馴染だ。

私は10年前から健ちゃんの事が大好きで、
健ちゃんも10年前はこんな感じじゃなかった。
健ちゃんが変わったのは3年前のある事件が原因だと思う。
……その事件で変わったのは健ちゃんだけじゃなかった。


3年前。あの日は雨がザーザー降っていた。
いつもは四人で遊ぶけれど、あの日は瑞樹ちゃんと康太は
二人でどこかへ出かけていた。
『康太とデートできる!』って笑顔で喜んでいた。
康太の方は……わからない。前日、少しそわそわしてたような気がする。

あの頃の康太はすごく無口で、
一言話しかけると一言返してきた。
瑞樹ちゃんは、今のようなお姉さん気質ではなく、
ほわほわしたか弱い女の子だった。


「瑞樹ちゃんと康太デートだってー」
ニヤニヤしながら言う私に、
健ちゃんは優しく微笑んだ。
「早くくっつけばいいのにな」
しばらく他愛もない話をした後、
私はふと思い立って言った。
「ねぇ健太郎?」

私は健ちゃんを、健太郎と呼んでいた。
いつからだろう。健太郎と呼ぶのを避けるようになったのは。

「私たちもデートしよう!」
恥ずかしさを必死でこらえて言った。
健ちゃん……健太郎は真っ赤になって小さく頷いた。
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