恋はいつでも『マシンガン』ですから！！
「楽しいねー」
「歩いてるだけじゃん」

私達は、狭い道を二人で並んで歩いていた。
たまにお互いの手が触れ合って、
ドキドキしていた。無性に手を握りたい。

それから歩いたのは、すっかり慣れ親しんだ道だった。
それから私の頭は、健ちゃんの事で頭がいっぱいだった。
油断していた私が事故に合うのは当たり前の事だったのかもしれない。


ブレーキの音が後ろで聞こえた。
自分の体に衝撃が走った。
隣では健ちゃんが茫然と立っていた。

健ちゃんの顔を見た時、私の目はゆっくり閉じた。



目を覚ました時、最初に見えたのは天井だった。
最初に聞こえたのは、健ちゃんの声だった。

「ごめんね」

それっきり、健ちゃんが静かにすすり泣く声しか聞こえなかった。
健ちゃんは私に触れてくれなかった。
ごめんねじゃなくて、泣くんじゃなくて、
頭を撫でて『大丈夫？』と言ってほしかった。


それからだ。
健ちゃんがあまり笑わなくなったのは。
何かを怖がってるみたいになった。
冷たくなった。あの事件は、私に悪い影響しかあたえなかった。
瑞樹ちゃんと康太は、あと少しで付き合いそうだった。
それなのに、あの事件から距離が少し離れた。

なんで、どうして私はデートなんか誘ったんだろう。
ザーザーと降っていた雨を嫌がって室内にいればよかった。
目が覚めた時に虹が出ていて、憎たらしかった。
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表紙・目次

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