恋はいつでも『マシンガン』ですから!!

授業を受けるとき、視線はいつも隣に行く。


予鈴が鳴り響くと、みんな席に着く。
瑞樹ちゃんは少し名残惜しそうに康太を見つめた後、
自分の席へ向かった。

私の隣の席は健ちゃんだ。
健ちゃんの事をいつもガン見してしまう。
そうすると健ちゃんが思いっきり睨んでくる。
あの瞬間が好きでたまらない。

ホームルームもいつものように終わって、
数学の授業になった。

「ここを代入すると……」
代入ってなんだろう。先生の言葉を右から左に受け流しつつ、
健ちゃんにちらりと目をやった。

「え……」
小さくつぶやいた原因は健ちゃんだ。

いつもはかけていないメガネをかけていた。
私の声に反応した健ちゃんは、
『何?』
とノートに文字を書いて見せてきた。
「おぉ……。筆談。なんか嬉しい」
『うるさい、しゃべるな』
健ちゃんはたまに黒板を見ながら文字を書く。
『メガネかけたの?』
『うん』
『そっかぁ。似合う。かっこいい。
 惚れた。うわぁぁぁかっこいい。』
『お前ってしゃべらなくてもうるさいのな』
『だってかっこいいんだもん』
『……どうも』
『照れてる?』
『照れてない』

照れてないのか。つまんないなぁ。
つまんないけどかっこいい。
そんな事を思って、私はまた健ちゃんを見つめた。
『……授業聞けよ』
『今忙しい』

「……」
健ちゃんから無言の圧力をかけられるけど気にしない。
今あなたを見つめるのに忙しいんです。
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