【完】ベストフレンド ‐武蔵野 健吾‐
親友
【 親友 】
……その日のうちに、俺は龍輝の部屋へと行き、信吾のことを話した。
みんな驚いた顔をしていたけど……すぐに『仕方ないよな』と受け入れたようだった。
……仕方ないことだけどさ、やっぱり俺は、すぐには受け入れられない。
やべーな……なんだこれ。
信吾の『遠恋中のカップルみたいだな』って言葉……今の俺、多分そんな感じだ。
俺、信吾にホレてたのか?
……いやいやいや、それは違うよな、うん。
違う。はずだ。
そりゃあ、好きか嫌いかなら、当然好きだけど。
恋愛とかそういうのじゃなくて……信吾は俺にとって、かけがえのない友達なんだ。
だからそばに居たいし、そばに居てもらいたい。 ……って、これを大雅に話したら『やっぱりデキてたのか!!』とか言われるんだろうなぁ……。
そういうのじゃねぇんだけど……どう説明すりゃいいかもわかんねぇや。
「ねぇねぇ健ちゃん」
「んー?」
「信吾は、いつ青森に行くの?」
……あ、やべ。
『夏休みの間に』っては聞いたけど、正確な日付は聞いてねーや。