【完】ベストフレンド ‐武蔵野 健吾‐
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それから数日が経ち、朔也からメールが来た。
【 明日、信吾が青森に行く。
車で約6時間。出発は朝9時。 】
……明日、か。
結局俺は、信吾に何も連絡しないまま過ごしてた。
信吾からも何も連絡はねぇし、『明日行く』っつーメールをよこしたのは朔也。
……俺と信吾は、このまま何もやり取りのないまま終わるのかな。
『明日行く』って聞いても、その場に行ってもいいのか、迷ってしまう。
見送りに行けば、信吾はいつもと同じように笑うんだろうけど……俺は、どうなんだ?
いつまでも一人でグダグダと、何やってんのかな……。
なんで素直に『頑張れよ』って見送れないのかな。
笑顔で見送りたいのに、信吾を前にしたら俺は、きっと笑顔にはなれない。
……マジで、『恋してんのか?』ってくらい、胸が苦しい。
【 なぁ朔也。 俺、信吾が遠くに行くことを、やっぱり受け入れられないよ。 】
一人で抱えてることが苦しくて、つい、朔也にそんなメールを送ってしまった。