【完】ベストフレンド ‐武蔵野 健吾‐


それに対する答えとして、龍輝は首を横に振り、朔也も同じように首を振る。




「確か、1年の夏くらいからだよ。 それまでは『1年生の4人組』とか『あの人たち』とか、そんな感じだった」




そんな風に言ってお菓子をつまむのは、大雅。

そして『そう言えばそうでしたねー』と同調するのが、俺の彼女である優。




「先輩たちが入学した年の学園祭、あの時はまだ『あの人たち』とかでしたよねー」

「あー『愛の告白大会』か、懐かしいねー!!
健ちゃんにコクったのは男子だけ!! って、今でもいいネタ!!」




けらけら……というかニヤニヤ笑う大雅。

この野郎、他人事だと思いやがって……。




「俺は、思い出したくない思い出ナンバーワンだっつーの」




そんな風に言って、麦茶を口に運ぶ。

みんなは楽しそうに笑ってるけど、俺からすれば、マジで嫌な思い出……。

それを優に見られてたってことも最悪だ。
多分、これから一生ネタにされる……。


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