【完】ベストフレンド ‐武蔵野 健吾‐
そう思った直後、バッチリなタイミングで携帯にメールが届いた。
【 あ、言い忘れてたけど、『四聖獣』のこと女友達にメールして知らせといたから♪
もしかして凄い盛り上がりになってる? お前の驚いた顔が見られなくて残念だ(笑) 】
……あの野郎、やりやがったな。
なーにが『言い忘れてたけど』だ。
見送りに行った時のあのニヤニヤ顔!! どう見てもアレがコレじゃねーか!!
【 この馬鹿、何やってんだ。 大パニックだっつーの!! 】
たくさんの人に囲まれながらも、高い身長のおかげでメール打つのは楽々。
それでも、ぎゅうぎゅうに押されて動きにくいけど……って、なんで俺の周りは男だけ!?
なんだよコレ、学園祭の悪夢再来!?
「健吾さん!! 大ファンです!! 握手してください!!」
「俺もお願いします!!」
……って、何故に先輩が俺に敬語を使うんですか。
しかもみんな、少女のようなつぶらな瞳……。
そんな瞳で見つめられたら、握手しないわけにはいかないじゃないですか……。
♪〜♪〜♪〜
……あ、メールが返ってきた。
【 まぁテキトーに頑張れ。 アディオス!! 】
……。
信吾め、他人事だと思いやがって。
だいたい、四聖獣の中心は黄龍なんだから、お前がなんとかしろっつーの。
……って言っても、アイツは青森だもんなぁ……。
……ったく、どうすりゃいいんだか……。