【完】ベストフレンド ‐武蔵野 健吾‐
「四聖獣様ー!!」
「こっち向いてー!!」
……いや、これはもう、どうしようもねぇな。
みんなすっかり『四聖獣』に馴染んでるし……今更何かを言っても、何も変わらない。
こりゃあ、このまま『四聖獣』を受け入れるしかなさそうだ。
――『四聖獣』って聞こえるたびに、俺を思い出せよ?
ふと、信吾のメモ書きを思い出す。
……ったく、こんな風に広まってたら、イヤでも忘れねぇっつーの。
ガヤガヤと騒がしい中からなんとか抜け出して、女子に囲まれてる龍輝たちを見る。
俺とは違って、アイツらはまだまだ抜け出せそうにねぇな……なんて笑いながら、信吾へとメールを送る。
【 お前の馬鹿な行動のせいで、毎日お前を思い出す羽目になりそうだ。
これでお前が俺を忘れたら、マジで殴るからな(笑) 】
そんなメールに、すぐ返事が届いた。
【 俺は四聖獣の中心に居る男だぜ? 忘れるわけがなかろう!!
あ、『中心なら今すぐ来て責任取れ』とか言うのナシね?
中心的存在でも、今すぐに青森からそこまでは行けんわ(笑) 】
……ははっ
信吾は、相変わらず馬鹿のまんまだな。